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感性が豊かに花開くティーンの子どもたちに向けた音楽会「10代のためのプレミアム・コンサート」に、世界的指揮者の大野和士さんが登場! ご自身が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団を率いて、オーケストラのカラフルな音色や、スペインの華やかなリズムを体感できるスペシャルなプログラムを展開してくれます。近年、大野さんが熱心に取り組んでおられる子ども達に向けたワークショップ型の公演への思い、そして今回のコンサートの内容についてお話を伺いました。

聞き手:クラシック音楽ファシリテーター 飯田有抄

音楽を聴くと体が動いた子ども時代

山田和樹 スペシャル・インタビュー

世界中でオーケストラやオペラのコンサートを指揮なさっている大野さんですが、子どもたちに向けた参加型のプログラム作りにも熱心でいらっしゃいます。大野さんご自身も小さい頃からたくさん音楽を聴かれていましたか?

子どもの頃から音楽が大好きでした。音楽が聞こえてくるとワクワクして嬉しくなって、とにかく体を動かしたくなり、小さい頃は床を転がったり、お箸を指揮棒にして振ったりしていました。
物心つく頃にはピアノを習い、オーケストラのコンサートにも出かけました。ハガキで応募すると、無料で聴けるコンサートがあったんです。初めてオーケストラの迫力ある響きを聴いたときはびっくりして、「は〜っ!」と深く息を吸い込みました。
小学校4年で、初めてオペラ『椿姫』を観たときも感動しましたね。第1幕と第3幕の冒頭に、同じメロディーが聞こえてきたのを覚えています。主人公が病にかかり、愛を失う時のメロディーが、とても印象的だったのです。

心をオープンにできる参加型のコンサートを届けたい

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感性の柔らかな子ども時代、生演奏から受ける感動というのは大きいのでしょうね。

音楽会に行くというのは、非日常的な体験じゃないですか。音楽ホールは、天井も高いし、学校の教室よりも、はるかに音がよく響く空間です。会場に足を踏み入れただけで、ワクワクしますよね。だからこそ、心をオープンにして、森の中で深呼吸するように、音楽を体いっぱいに吸い込み、「生きるっていいな!」と感じてもらいたい。そんなコンサートを子どもたちに届けたいと思っています。

ソニー音楽財団とはこれまでにも、ベルギー王立歌劇場とモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」のハイライト・コンサートや、リヨン歌劇場管弦楽団と「牧神の午後への前奏曲」や「火の鳥」をダンサーの近藤良平さんとのコラボレーションで取り上げるなど、スケールの大きな公演を続けてこられました。

来日するオーケストラは、若い人たちを対象にしたコンサートのノウハウをそれぞれに持っています。これまでは、ベルギー型のワークショップを取り入れたり、リヨンが持っているアイディアを基にして取り組んできました。
今回はバルセロナ交響楽団とともに、かなりオリジナリティにあふれた内容でお届けしたいと考えています。というのも、私の中にも蓄積がありますので、それを生かしていきたいと思うのです。オーケストラ全体の響きはもちろんのこと、オーケストラの一つ一つの楽器への関心を高め、それぞれの響きとの出会いを楽しんでもらえるような、参加型のコンサートにしたいと思います。

オーケストレーションの妙技と、舞曲のリズム感を体感!

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前半に取り上げていただくラヴェルの「マ・メール・ロワ」では、まさにそうした個々の楽器の魅力を伝えてくださるとのことですね。大野さんがピアノも弾かれるとのこと!

「マ・メール・ロワ」という作品は、有名なバレエ音楽「ボレロ」の作曲家ラヴェルが、友人のお子さんのために作った曲です。ラヴェルはとても優しい人で、子どもたちがピアノの連弾で楽しく弾けるようにと、童謡マザー・グースを基にした「マ・メール・ロワ」を作曲したのです。ですから、もともとはピアノ連弾のための作品なのです。ピアノでもゴージャスに響くのですが、のちにラヴェルはこれをオーケストラ用に編曲しました。ラヴェルは、色彩的なオーケストレーションの名人なのです。
今回のコンサートでは、ピアノ連弾の原曲が、オーケストラにアレンジされたときに、どんな楽器でどう表現されたのか、作品を部分的に取り出して、ピアノ連弾とオーケストラを聴き比べてもらいます。私と作曲家の徳重智子さんとでピアノ連弾をします。そのメロディーが、オーケストラではフルートなのか、クラリネットなのか、ハープなのか、あるいは打楽器なのか、それらをワークショップで解き明かしていきます。そのあとに組曲をオーケストラで通して聴いてもらいます。
作品は、5曲から成り立っていて、それぞれにとても素敵なタイトルが付いています。最初は、「眠りの森の美女のパヴァーヌ」。健やかなおっとりとした舞曲で始まります。次は小さな子どもが森の中でさまよってしまう「おやゆび小僧」。3曲目は「陶器人形の皇后」。エキゾチックで華やかな曲です。4曲目は、「美女と野獣の問答」という面白いタイトルですが、野獣にかけられていた魔法が解けて、王子様になり、美女と結ばれるというお話の曲です。そして5曲目は「妖精の園」。地平線の彼方から、だんだん天国へと立ち上っていくような、心が清らかになるような音楽です。
<大野和士による動画解説「マ・メール・ロワ」の楽しみ方>もご覧ください。

後半は、スペインの作曲家ファリャによるバレエ音楽「三角帽子」第2組曲です。東京シティ・バレエ団によるダンスとのコラボレーションとのことですね。

この作品はパリで活躍していたバレエ団のためにファリャが作ったもの。バレエの内容はとても単純です。小麦粉を作っている粉屋さんに、美しい奥さんがいました。その町の市長さん(三角帽子を被っています)が、その奥さんを横取りしようとします。しかし奥さんは頭のいい人で、市長さんをちょいちょいとあしらって、挙げ句の果てには市長さんは川にドブ〜ンと落ちて、みんなの笑い者になってしまうという喜劇。
第2組曲は14分くらいの曲です。スペインのフラメンコ・ギターのリズムに基づいた音楽です。コンサートでは、最初にギターの演奏を聴いていただきます。徳永真一郎さんという、とても上手な若いギタリストが参加してくれます。たとえば、第2曲「粉屋の踊り」はファルーカというリズムに基づいていて、そのダンダダダダンダン ダダダダダダン……というリズムを、まずはギターで弾いてもらい、それをオーケストラで鳴らすとどんなサウンドになるのかを聴いてもらいます。さらにダンサーに加わってもらって、会場の皆さんにも、足踏みをしてもらうかもしれないし、手拍子で参加してもらうかもしれません。振り付けは、東京シティ・バレエ団 芸術監督の安達悦子さんです。安達さんはご自身もダンサーで、実は私の小学校時代の同級生なのです。
3曲目の「終幕の踊り」はホタというお祭りの音楽です。この曲ではカスタネットが派手なトレモロを鳴らして大活躍します。カスタネットというと、学校の音楽室にもある赤い小さな楽器を思い浮かべるかもしれませんが、スペインのフラメンコで使うものは、大人の手のひらくらいある大きいもので、両手に一つずつ持って鳴らします。それを4人の大人がやるので、とても迫力ある響きとなります。
<大野和士による動画解説「三角帽子」の楽しみ方>もご覧ください。

鮮やかなオーケストラの響き、ユニークな舞曲のリズムなど、わくわくする音楽にあふれたコンサートですね!

ラヴェルはオーケストラのミクロな響きに耳を集中させてもらい、個々の楽器との出会いを楽しんでもらいたい。ファリャはダンスの曲ですから、一緒に体を動かしながら、オーケストラと一緒に演奏に参加した!という記憶を残してもらえたら嬉しいですね。その場で声を上げても、動き出してもいい。驚きの深呼吸をたくさんして、ワクワクドキドキの体験をホールで味わってもらいたいと思います。

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大野 和士 Kazushi Ono (指揮者)

バルセロナ交響楽団および東京都交響楽団音楽監督、新国立劇場オペラ芸術監督。
1987年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。これまでに、ザグレブ・フィル音楽監督、東京フィル常任指揮者(現・桂冠指揮者)、カールスルーエ・バーデン州立劇場音楽総監督、モネ劇場(ベルギー王立歌劇場)音楽監督、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィル首席客演指揮者、フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を歴任。フランス批評家大賞、朝日賞など受賞多数。文化功労者。

飯田 有抄 Arisa Iida (クラシック音楽ファシリテーター)

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。
2008年よりクラシック音楽ライターおよび音楽関係の翻訳(英語)として活動を開始。
雑誌、書籍、楽譜、CD、コンサートプログラムなどの執筆・翻訳のほか、音楽イベントでの司会やプレトーク、教育イベントやワークショップのファシリテーター、セミナー講師、アドヴァイザーとしての仕事に従事。
NHKのTV番組「ららら♪クラシック」やNHK-FM「あなたの知らない作曲家たち」、コミュニティFM番組「Music Book Cafe」に出演。クラシック音楽専門インターネットラジオOTTAVAレギュラープレゼンター(木曜18-22時生放送)。
イベントではピアノ演奏、トイピアノ演奏も行い、クラシック音楽の普及にまつわる幅広い活動をおこなっている。

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