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齋藤秀雄メモリアル基金賞

第22回 齋藤秀雄メモリアル基金賞

第22回 齋藤秀雄メモリアル基金賞

訃報 小澤征爾氏(名誉顧問)のご逝去について

「齋藤秀雄メモリアル基金賞」2002年創設時の選考委員であり、2021年度より名誉顧問の小澤征爾氏が、2024年2月6日に逝去されました。
当賞に於いて若手チェリスト、指揮者の発掘、育成に多大なるご貢献をいただきました氏のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

公益財団法人ソニー音楽財団は、第22回(2023年度) 齋藤秀雄メモリアル基金賞 チェロ部門受賞者を 上村 文乃(かみむら・あやの)氏、指揮部門受賞者を杉山 洋一(すぎやま・よういち)氏に決定いたしました。

贈賞式はライブ配信もあわせてとりおこないました。

受賞者

上村 文乃(チェロ)
杉山 洋一(指揮)

名誉顧問
小澤 征爾 氏(指揮者)
選考委員

<選考委員長>
水野 道訓(ソニー音楽財団 理事長)

<永久選考委員>
堤 剛 氏(チェリスト)

<任期制選考委員(3年)>
柴田 克彦 氏(音楽評論家)
沼尻 竜典 氏(指揮者)
吉田 純子 氏(朝日新聞 編集委員)

●楯
●賞金 当該年毎に1人500万円(総額1,000万円)

贈賞の言葉

  • 永久選考委員 堤 剛

    上村 文乃 氏へ「贈賞にあたり」
    永久選考委員 堤 剛

    上村さんは卓越したチェリストであり、素晴らしい音楽家ですが、私はそれ以上に彼女の人間としてのスケールの大きさ、幅広さに魅了されます。高校生の頃から飛び抜けた才能で注目されていましたが、その後の並大抵ではない努力と研鑽により、大きく開花されました。それは毛利伯郎、アルト・ノラス、イヴァン・モニゲッティ、そしてクリストフ・コワン氏等の名伯楽に恵まれたことも大きいと思います。

    今や大活躍中で、それもバロックチェロを用いたバッハ等の作品から、現代曲まで本当に幅広いレパートリーをこなしておられます。モダンチェロのための作品もソロ曲からソナタ,小品などに加え、オーケストラとの協演でも素晴らしい力を発揮されています。特筆されて良いのは室内楽奏者としての能力でしょう。お人柄の故もあって仲間から好かれ、一緒に何かを作り上げていく力量があることです。しかもこれだけの作品群を唯上手に、美しく演奏するだけでなく、説得力があるものにしているのは、上村さんが単なる器楽奏者という位置にあることに甘んじず、常により素晴らしく、より内容があり深みのあるものを作り上げて行こう、という強い向上心があるからだと思います。

    彼女は今ではBach Collegium Japan にとって掛け替えのない存在です。彼女の実力に対しての高い評価は鈴木雅明氏、優人氏のお二人が証明して呉れています。演奏技術そのものが卓越しているだけでなく、スタイルや歴史性を良く学び、それが音として実現されているだけでなく、それを生かした演奏解釈上の弾き分けも見事なものです。

    私は上村さんはこれからのチェリストのあるべき姿を打ち立てて行く力の持ち主であると信じています。しかも責任感が強く、他の人の事を親身になって考えて上げられる人間的な幅広さ、やさしさを兼ね備えていて、それが演奏にも反映されています。

    音楽芸術に対する献身力は並大抵ではありませんし、加えて全てに純粋で、リーダーシップの能力もあり皆に頼られる頼もしさも持っておられます。

    これからはその幅広い経験、卓越したテクニック、豊かな音楽性を教育の面でも生かし、次世代のチェリストを導いて行って欲しいと思います。学ぶものにとってそこで得るものは真に大きいものがあり、その意味でも上村さんは良いお手本だと思います。

  • 選考委員 柴田 克彦(音楽評論家)/ 沼尻 竜典(指揮者)/ 吉田 純子(朝日新聞 編集委員)

    杉山 洋一 氏へ「贈賞にあたり」
    選考委員 柴田 克彦(音楽評論家)/ 沼尻 竜典(指揮者)/ 吉田 純子(朝日新聞 編集委員)

    杉山洋一さんのお名前は、作曲家として知っているという人の方が多いかもしれません。桐朋学園大で三善晃に師事し、今はミラノのクラウディオ・アバド音楽院で教鞭をとっています。指揮者としての活動が、常に作曲家、オーガナイザー、プロデューサーといった営みとおのずと表裏一体になっており、たゆまず音楽界を循環しているのが杉山さんという音楽家の独自性です。

    ハインツ・ホリガーやエサ=ペッカ・サロネンら、指揮の仕事を自身の音楽活動の一角としている人は、今や少なくありません。むしろオリヴァー・ナッセンのように、作曲との両輪で独自の創造領域を広げていった人に、杉山さんは近いのかもしれません。

    なかでも杉山さんが特別なのは、同じ時代を生きる作曲家や演奏家への「献身」が、指揮も、作曲も……という全方位的な活動の礎になっているということです。自我にもとづく想念としての創造活動とは、杉山さんはほぼ無縁です。今の人々に「届けるべき音楽」を厳選し、それを伝える技術を自らに課す。ストイックでもあり、まただからこそ、商業主義全盛の今の時代において、極めて稀な自由を携えている人でもあります。

    NHK交響楽団の「Music Tomorrow」など、新作初演の公演に杉山さんの名前があると、それだけで安心感を覚えます。作品に向き合うということは、作曲家の人生そのものに向き合うということ。杉山さんの誠実な指揮ぶりは、そうした理念を常に体現しています。

    2021年には東京ニューシティ管弦楽団(現パシフィックフィルハーモニア東京)と、現代イタリアの音楽の色とりどりの風景に目を開かせてくれました。芥川也寸志サントリー作曲賞では、最終選考に残った自身の曲を自ら振るという、珍事のようなことも起きました。若手の曲ではどうしても野心が逸って饒舌になったり、作為が前面に出すぎたり……ということが起きえます。杉山さんの指揮はいつも、作曲家の意図を汲みつつ適切な距離をとり、未熟であってもそれぞれの美質を最大限花開かせようとする、実にヒューマンなものです。一流の芸術家は一流の職人でもある。そうした杉山さんの指揮そのものから、若い作曲家は審査の結果以上に多くの学びを得ているに違いありません。

    松平頼暁、高橋悠治、湯浅譲二といった同時代の巨人の本質に、ここまで好奇心をむき出しにして挑んでゆく指揮者もそうはいないでしょう。とりわけ、ニューヨーク公共図書館などに自ら足を運び、世界に散逸した高橋悠治の作品を集め、日本を代表する精鋭奏者たちに声をかけて実現した「高橋悠治作品演奏会Ⅰ『歌垣(kagahi)』」(2018年、東京オペラシティリサイタルホール)の熱量はすさまじいものでした。

    「良い音楽をつくる人が、良い人間であるとは限らない」と言ったようなことが、クラシックの世界ではまことしやかに語られます。実際、音楽史にはそうした「奇人変人」伝説が満載です。しかし現実的に、作曲家や演奏家といった多くの人々を歌わせる指揮者という仕事において、ただ棒さばきだけが卓越し、「人間性」が置き去りになっている演奏に、真の感動を覚えることがあるでしょうか。そうした芸術家に対するある種の特権意識が、クラシックというものの本質を一般の人々に見失わせているという側面もあるのではないでしょうか。

    様々な演奏家をつなぐ触媒となり、新時代のアートの胎盤をつくる仕事に誰よりも心血を注ぎ、利他の心を礎とする杉山さんの指揮活動は、とても見えづらくはあるけれど、音楽界に確かな地殻変動を起こしつつあります。「人間性」こそが、これからの時代のクラシックの「核」となる。そういうメッセージを、杉山さんという存在に光を当てることで伝えることができると、私たちは考えます。それは、音楽と社会の関係をいま一度問い、結び直していきたいという私たち自身の決意を示す、新時代に向けてのメッセージでもあります。

受賞の言葉

  • 上村 文乃

    上村 文乃(チェロ)

    この度は、権威ある齋藤秀雄メモリアル基金賞をいただくことになり、大変光栄に思っております。ありがとうございます。

    私の人生に、偶然チェロという楽器が与えられ、『何事もやるからには一生懸命に』がモットーの両親に支えられながら、より良くする為にどうしたら良いかを常に考えてきました。

    現在私は、バロックチェロとモダンチェロ、2つのチェロを手に活動するようになりました。古楽の道へ入ったきっかけは、自分のなかで音楽をすることに対して疑問や矛盾を感じたからです。
    演奏家にとって、音を出す事(=自己表現)と、音楽をする事(=作曲家の想いを伝える橋渡し)は異なるということを感じていないといけないと思っています。

    どちらの役割が突出しても、それはある種エゴであったり、むしろ音楽を利用した身勝手な表現になってしまうのではと思っています。

    7年間の留学生活で沢山の壁にぶつかる中、一時期は悩み過ぎて、どのように演奏したら良いのかわからなくなったり、私は演奏家という立場は合っていないのではと真剣に考えた事もありました。

    そんな中、光を与えてくれたのが古楽でした。

    私にとって古楽で表現する事は、作曲家自身に近づくことのできるひとつの形であり、音楽をより血の通った生きものとして触れられるようになりました。遠く離れた存在の作曲家でも、こちらからその世界へ寄り添うことで、より身近なものとして音楽が身体の中に染み込んでくるように感じました。

    古楽を始め当時の文献等を読むようになりましたが、ある本には、装飾音や倚音、またアーティキュレーションについてを、愛情や喜び・優しさを表現するためのものと書かれていて、なんて尊いことなのだろうと涙が出るほど感動したことを覚えています。

    バロックチェロを弾くようになってから、自分が自由になり、なにかこの世界にこの想いを伝えたいと心が羽ばたいていくのを感じます。そしてなにより、モダンチェロに帰ってくると、より楽器や作品への深い愛情を感じられるようになりました。

    私にとってチェロを弾くという行為は、自分の生きる意味の模索であり、社会や人と繋がるツールなのかもしれません。演奏家にとって音で表現するということは、その人の生き方の表れであり、言葉を介するよりも、より嘘偽りのないものになると思っています。

    いま私の夢は、音楽が人と人のコミュニケーションのひとつとなり、演奏会に行くという体験がより日常と化し、社会のなかで必要不可欠と定義されるようになることです。

    齋藤秀雄先生は、私は直接お会いすることは叶いませんでしたが、出身校である桐朋学園でも日々先生方から齋藤先生の伝説的なエピソードを伺い、とても人間的で、生徒想いで実直な方だったと伺っています。また、齋藤先生が、クレンゲル先生、フォイアマン先生の教えを受け継ぎながら独自に試行錯誤なさり、常により良いものへと変化し続けられた御姿勢、またお弟子さんたちに今もなお伝えられる愛ある厳しさは、音楽家・教育者の鏡、そして1人の人間として改めて偉大な方と尊敬し、私の中にも齋藤先生の哲学が浸透してきているのではないかと感じます。

    まだまだ未熟ながら、このような大変な賞をいただき、戸惑いとともに、日々の行いを見守ってくださっている方がいることを感じ、更に積極的に活動していきたいと身を奮い立たせています。

    ここまで育ててくださった先生方、アドバイスをくれた友人、ずっと応援してくださっているファンのみなさま、そして家族。私の人生を支えてくださっている全ての方に、ありがとうございますと言葉を伝えたいです。
    一つ一つの音に慈しみを持ちながら、私の音が、みなさまの耳へ美しい音楽として昇華させることができたらと願っています。

  • 杉山 洋一

    杉山 洋一(指揮)

    この度は栄えある齋藤秀雄メモリアル基金賞に選出いただきましたこと、心よりお礼申し上げます。お話をいただいたときは、おどろくばかりでしたが、今はただみなさまのお心遣いに心より感謝しております。本当にありがとうございます。

    振り返ってみれば、とても幼いころよりずっと齋藤先生の教えに触れてきたと気が付きます。幼少より篠﨑功子先生のもとでヴァイオリンを学んでいたので、齋藤先生のお人柄、音楽教育について折に触れて伺っておりましたが、小学校にあがってほどなくして仙川の音楽教室に通い出してからは、実際に先生の音楽教育の神髄を身をもって体験する機会に恵まれました。ソルフェージュやアンサンブルなどを通した齋藤先生の音楽教育とその理念が、高校で作曲に転科以降も、大学研究科修了まで自らの音楽の根底を育んでくださったのです。

    子供のための音楽教室で、最初は優しいソルフェージュの先生として出会った岡部守弘先生は、齋藤先生の右腕の名教師ですが、岡部先生に指揮の手ほどきをうけたことで、今現在の自分があるのでしょう。

    岡部先生が指揮を教えてくださるだけでなく、ソルフェージュのまったく苦手な自分のような落ちこぼれ小中学生に、親身になって情熱的に音楽を好きにしてくださった利他的なお姿に、在りし日の齋藤先生のお姿を重ね合わせておりました。

    先生方には足元にも及びませんが、イタリアでは指揮の手ほどきとともに、幅広く若者の基礎音楽教育にも関わっております。どうしてもそれを手掛けたかったのは、齋藤先生の音楽教育を献身的に伝えてくださる岡部先生の後姿が忘れられないのと、その音楽教育の素晴らしさを、折に触れ実感しているからです。

    改めて思い返しますと、人生ほんとうに掛け替えのない一期一会が連なって自分が生かせていただいていて、ここに到底書ききれない、お世話になった先生方への感謝ばかりが募ってまいります。

    曲がりなりにも自分も作曲に携わっているために、作曲者が作品にこめる情熱を自分事として受け入れられることが、おそらく今回このような栄誉ある賞をいただくきっかけになったのかも知れません。今後とも先生方から受け継いだ音楽と情熱を大切にして、ますます精進を続けてゆきたいと思います。

プロフィール

  • 上村 文乃

    上村 文乃(チェロ)

    6歳よりチェロをはじめる。

    桐朋女子高等学校(音楽科)卒業後、桐朋学園大学ソリストディプロマコース、ハンブルク音楽演劇大学、バーゼル音楽院、スコラカントゥルムバーゼル(古楽科)にて学び7年間の留学を終え2020年に帰国。

    第5回東京音楽コンクール弦楽部門第2位。第4回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽器部門第1位およびルーマニア大使館賞受賞。第80回日本音楽コンクール第2位。第65回全日本学生音楽コンクール大学の部第1位および日本放送協会賞受賞。イタリアトレヴィーゾ国際音楽コンクールにて優勝。2022年に第23回ホテルオークラ音楽賞受賞。第2回インディアナポリス国際バロックコンクール優勝。

    ヤマハ音楽振興会、ジェスク音楽振興会、明治安田クオリティオブライフ海外音楽研修生助成、ロームミュージックファンデーション、文化庁新進芸術家海外研修制度より奨学金を授与される。

    これまでに東京フィル(小林研一郎)、読売日本交響楽団(下野竜也)、名古屋フィル(大友直人)、京都市交響楽団(鈴木優人)、ワロニー王立室内管弦楽団(フランク・ブラレイ)、バーゼル交響楽団(クリストフ・ゲトショルド)等と共演。深澤亮子氏、徳永二男氏、樫本大進氏等の世界的な演奏家と室内楽を共演。また、霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、北九州国際音楽祭、東京・春・音楽祭、仙台クラシックフェスティバル、ル・ポン国際音楽祭、アスペン音楽祭(アメリカ)、ピアティゴルスキーチェロフェスティバル(アメリカ)、チェロビエンナーレアムステルダム(オランダ)、モニゲッティ&フレンズ(スイス)等に出演。TV朝日「題名のない音楽会」、NHK-FM「クラシックサロン」、NHK-Eテレ「おんがくのおもちゃばこ」等に出演。

    チェロを熊澤雅樹、井上雅代、毛利伯郎、堤剛、アルト・ノラス、イヴァン・モニゲッティ、ソル・ガベッタの各氏に、室内楽を原田幸一郎、徳永二男、クァルテット・エクセルシオの各氏に、古楽奏法をクリストフ・コワン氏に師事。

    サントリーホール室内楽アカデミー第一期生。古楽アンサンブル「ムジカ・アミチ」創立者。

    トリパルティ・トリオ(Vn米元響子、Pf菊池洋子)やバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしても活躍中。オーケストラとの共演や国内外での室内楽での演奏も高く評価されている。モダンチェロの演奏にとどまらず、ピリオド楽器を用いた歴史的演奏法にも取り組み、双方において第一線で活躍の場を広げる稀有なチェリストである。

  • 杉山 洋一

    杉山 洋一(指揮)

    1969年東京生まれ。桐朋学園大学作曲科卒業。指揮をエミリオ・ポマリコ、岡部守弘に、作曲を三善晃、フランコ・ドナトーニ、サンドロ・ゴルリに師事。

    これまでに指揮者としてNHK交響楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団、ボローニャ・テアトロ・コムナーレ管弦楽団など、日欧各地のオーケストラ、アンサンブルと共演。またウィーン・モデルン、パリの秋、ミラノ・ムジカ、ベルリン芸術アカデミー、サントリーホールサマーフェスティバルなどの音楽祭に参加。とりわけ現代音楽の分野で活躍がめざましく、クラングフォルム・ウィーン、リミックス・アンサンブル・カーサ・ダ・ムジカ(ポルトガル)、カンマーアンサンブル・ノイエ・ムジーク・ベルリン、アルター・エゴ(ローマ)をはじめとする数々の現代音楽グループと共演している。携わった主な劇場作品に「プロメテオ」(ノーノ)、「ファルスタッフ」(ヴェルディ)、「魔笛」(モーツァルト)、「クラーネルグ」(クセナキス)、「チョムスキーとの対話」(カザーレ)、「碁の名人」(メルキオーレ)、「大鴉」(細川俊夫)、「飛行する宙づりの時間」(サーニ)、「上司に対する賃上げ交渉の芸術と方法」(モンタルティ)、「盗まれた言葉」(ベッタ)など。

    作曲家としてはこれまで、ミラノ・ムジカ、ヴェネチア・ビエンナーレといった芸術祭をはじめ、国内外のアーティストから多くの委嘱を受けている。

    オーガナイザー、プロデューサーとしての実績も豊富で、高橋悠治作品演奏会I「歌垣」(2018)、同II「般若波羅蜜多」(2019)、松平賴暁のオペラ《The Provocators~挑発者たち》(2018)、フェニーチェ堺のオープニングシリーズ「武満徹ミニフェスティヴァル」(2019)などの企画に携わり、いずれも指揮も担当した。2024年10月上演予定の神奈川県民ホール開館50周年記念オペラシリーズVol.2 オペラ《ローエングリン》(シャリーノ)においては制作段階から関わり、指揮者としても出演が決定している。

    指揮者として、2018年芸術選奨文部科学省大臣新人賞受賞。作曲家として、第13回佐治敬三賞第2回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。2010年サンマリノ共和国サンタアガタ騎士勲章受勲。また、ドナトーニ最晩年に杉山が補筆完成したオーケストラ作品「Prom」「Esa」を含むCD「ドナトーニ: 管弦楽作品集」(杉山洋一指揮、東京フィルハーモニー交響楽団)が2015年度イタリアAmadeusディスク大賞受賞。

    1995年にイタリア政府から作曲奨学金を得て以来ミラノ在住。現在、ミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院で教鞭をとる。